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1.黒ブタ 様 (九州在住)
 1)システム概要
  フルレンジSP : アルテック CF204-8A
  ウーファーSP : PARC AUDIO  DCU-171A

  フルレンジ部BOX  
   SV-101(コイズミ無線)
   バスレフ2.7リットル ダクト直径28mm X 長さ53mm
   吸音材は付属品のものをすべて使用
   低域は期待しないので安価でコンパクトな物を選択。

   ウーファー部BOX  
   ハセヒロ MM-161バックロードホーン 
   吸音材はPARC AUDIOの物を使用
   ビシッと低音を出したいのでユニットの割に空気室容積の小さな物を選択。 

 2)使用 : アルテックCF204は2002年2月から  他は2008年7月から

 3) 低音の不満が解決せずに使用停止したメインSP。箱の再利用を企んでみました。
  気に入っているアルテックのCF204を活かしたいのでウーファー追加としてみます。
  ジャズとポップスを聴く時間が多いので「クールで図太い」らしいアルミコーンに興味を持ちました。
  ケブラーは他に買われた方もいらっしゃるようなので。
  ^^ハセヒロの箱はMM-181から17cmぎりぎりのMM-161にサイズダウン。
  ゆったりと鳴らすならMM-171でしょうが目一杯BH臭くなっても良いと思い減らしました。

  このシステムの要はチャンネルデバイダによるマルチアンプドライブ。
  安価でいろいろ試せるベリンガーのDCX2496モデルを購入しました。
  マニュアルだけ先に読んでもよく分かりませんでしたが、実際に操作した方が分かり易い。
  ゲイン・クロスオーバー周波数・位相・ディレイタイムなど、とても細かく調整可能。
  早速、実験という名で試行錯誤を始めます。

 実験1
 パークさんのブログに「アドオン・ウーファー」と書きましたが、アルテックの音が好きなので
 足りない低音のみを補うつもりでセッティングに入ります。
 まずはフルレンジの低域をカットせずにウーファーを加えます。 (写真C1)
 写真の2とはフルレンジを表し、反転表示は低域側の周波数カーブ「カットOFF」を示します。
 アルテックは一切カットせずにウーファーは510Hzでカット、ということです。

 試聴してみると若干低域がダブつくというかややモコモコする感じ。切れを良くしたいなあ。
 やはりフルレンジの低域をカットすることにします。  (写真C2)
 反転表示は「バターワース12dB/oct」を表しています。
 ベッセルやリンクウィッツ・ライリーも含めていろいろ選べるのですが,とりあえずバターワースで
 試してみます。 (写真C3)
 6dB/oct、12dB/oct、18dB/octと変えていきます。6dBで落としたのだけ聴けば悪くはないのですが、
 ピアノソロ、サックスソロ、女声ボーカルなどリードパートの音が6より12、12より18とした方が
 くっきり際だって聴こえるので不思議。  てな訳でバターワース18dB/octに固定します。

 ここまで写真を見て「ウーファーのカーブが一緒じゃん」と気付いた貴方は鋭い! (爆)
 写真C1、C2、C3とも撮影の時はウーファーの方はバターワース18dB/octのままです。
 実験の時はウーファーの方も一緒にカーブを変えて試してみましたよ。

 実験2
 試しにアルテックCF204をツィーター的に使ってみます。(写真C4)
 クロスfqを2.5kHzに動かしてみます。うん、これはこれで悪くはない。成り立ちます。
 ただやはり、これではアルテックのサウンドを活かしているとは言い難い。
 なのでクロスfqを700Hz付近まで下げてみます。 (写真C5)
 これだと171Aの音がリードパートの音に被ってしまいます。音に図太さが出ますがアルテックの
 シャープさとはまだ雰囲気が変わってしまうなぁ。 (写真C6)
 クロスfqを700-600-500-400と更に下げて行きます。あるサイトで聞いた話ではCF404の低域は
 500Hz辺りから下がっていくようです。CF204も割と近い特性でしょうか、600Hz位からアルテックの音
 になり400Hz以下では低域が薄くなります。 中間を取ってクロスfqを510Hzとしました。

 実験3
 実験1,2をやりながらフルレンジ用のアンプとウーファー用のアンプの音量を設定してみました。
 前者用のトライオード KT88シングルはフルボリューム、後者用の古いケンウッド(石)は半分位で
 だいたい落ち着きました。ジャンルや曲によって低音のゲインをいくらか上げる事もありますし、
 夜が更けて全体的に音量を下げるほど相対的にはウーファーのゲインを上げた方がバランス良く
 聴こえます。
 最初のシステム全体の写真で分かるかと思いますがチャンデバだけは手元で操作できるように
 別なテーブルを近くに置いてそこに乗せています。
 リスニングポジションで調整でき、違いも比べ易くてグー。

 面白いのはアルテックは510Hzで切ったまま、ウーファーのクロスfqだけ上げてみるとリードパートの
 音量が少し上がると同時に低域のレベルが下がってしまうこと。
 相対的になら当然なのですが、絶対的音量もなぜか下がった様に聴こえるから不思議。
 やはりバランスが大切ってことなんですね。


 まとめて書くと、アルテックサウンドを活かしつつパークオーディオのウーファーサウンドをプラスする、
 この目論見は大筋で達成できそう。欲張らずに持ち味を活かす、うーん、人生勉強の様ですね。(笑)
 ベースとバスドラムの音を締めつつもしっかり出し、音楽の魅力をしっかり味わえるシステムになったと
 感じています。 パークさん、有り難うございます。