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3.島津 様 (横浜市在住)
1)システム概要
スピーカーシステム: 10”サブウーファー+ミッドバス(DCU-171W)+1”ソフトドームトゥイーター
クロスオーバー : 80Hz、2.5KHz(-12dB/oct)
ミッドバスとトィーターのクロスオーバーはLCネットワーク方式
専用アンプ : チャンネルデバイダー内蔵、100W x 4
2)使用感
私は、個人的にはクライナ・アンド・プルートン社のハイエンドオーディオ製品を愛用しております。
そしてまた仕事では、オーディオと異なる業界向けですが、オーダーメイドのアンプやスピーカーを製作、販売しております。
ここでは他社との差別化のために高音質を売りにしています。数の出る商売ではないので、スピーカーユニット等は
OEMではなく市販品から選ばねばなりませんので、良いものを探すのに本当に苦労しています。
さて、私は音響装置の評価において、音色(ねいろ)ではなく空間(音像を含む)再現能力で評価しています。
音色は調整が利きますが、空間情報は”調整”ではなく、”欠落させない”様にしなければならないので、
評価や改良時の最重要項目と考えております。
つまり何か改造を加えた時に、一見音色が良くなったと感じても、空間再現が悪い方向に変化した場合はNGと判断します。
間違いの無い判断をするためには、音源も、アンプも、スピーカーも測定器の様に信頼出来る基準が必要となります。
(代表のブログに登場する”神様”は雰囲気出てますよね)
私の場合は上記クライナ社の製品を基準にしています。以上の様な背景にて、今回DCU-171Wを使用したスピーカーシステムで
大変に良好な空間再現が得られました。仕事がらみにてあまり詳細までお話出来ないので申し訳ないのですが、
今回製作したシステムでは80Hz〜2.5kHzを受け持つワイドレンジなミッドバスとして使用しており、このシステムの正に心臓部として
使用しています。評価結果の一部ですが、以下の様になりました。(何れも音源はCD)
1. 声楽(アルフレッドデラー、フォークソング集)(ハルモニアムンディ社)
スピーカーの向こう3m程のところにアルフレッド・デラーが立っています。手前にギター奏者が座っています。
(高さもきちんと出ます)既に他界した名演奏家が目の前でライブをやってくれるなんて。。。。目が合いそうになる様なリアリティです。
評価試験ですが、ついついうっとりと聞き入ってしまいます。録音している教会(と思われる)の外で小鳥が一緒に歌うのも聞こえます。
(空間再現の良い装置は、微細な音まで良く聞こえます)
2. クラシックピアノ(野島稔、ラ・カンパネラ)(リファレンス・レコーディング社)
スピーカーの向こう5m位の舞台上に実物大のグランドピアノを感じます。音は目線より少し高い位置から来ます。
(実際のライブでも大抵の場合その様になると思います)コンサートホールの広がり感も自然に出ます。これも文句なし。
3. 室内楽(ホグウッド指揮、バッハ、コーヒーカンタータ)(オワゾリール社)
ライナーノートの現場写真と同じように、手前中央にハープシコード、その奥に弦、更にその左奥にフルート、最も奥の左からソプラノ、
テノール、バスが立っている様子が立体ホログラム映像の様に再現されます。(本当ですよ!)
4. パリ・ノートルダムのクリスマス(ワンポイントマイク録音)(RCA社)
これだけ残響がたっぷり入った録音は珍しいと思います。多くの普通の装置では音がグチャグチャになるので、録音が悪いのと勘違いします。
しかし私の眼前は濃厚で巨大な響きの空間で満たされ、しかも聖歌隊やオルガンの演奏は綺麗に聞き取る事が出来ます。
聖歌隊の存在感は正面20m位先でオルガンは高いところにありますが、音は天井に近いところから降り注ぐ様に聞こえます。
(実際に大聖堂ではその様に聞こえます)これも素晴らしい!
以上音色(ねいろ)に関してはあえて述べていませんが、自然で癖の無い音であった事は付け加えておきます。
とにかく良質なユニットの供給元が国内に登場した事はうれしい限りです。
しかし代表が褒められすぎて天狗になる事がありません様に! どうかいつまでも一般愛好家と零細企業の味方でいて下さい。