P20


20.G.Y.様(埼玉県在住)


1.ボックス(というか円筒ですが)仕様

 ・方式:バスレフ

 ・容量:推奨サイズを参考にして、約2.5g

 ・構造:前面、背面の鉄製フランジ(板厚約40mm切削品)<wbr>でアルミシリンダー(板厚5mm)を閉止。

     フランジ内面は前後とも円錐面とし、ボックス内部の平行面をなるべく排除。

     背面フランジの円錐面に120°間隔で放射状に3本のバスレフポートを配置。

     ポート径はφ22mmとし、各ポート長は60Hz、65Hz、70Hzの共振値を目標に調整。

     アルミシリンダー内面は音響加振に対する応答低減(箱鳴き抑制)のため、
     アスファルトシートを貼り付け。

     吸音材はPARCのウールを内部円錐面部分に少量使用。

     2本のスパイク脚で前面側フランジを支持、
     後面側フランジ下面はf特が良好とされるアクリル薄板を敷設してスラント化。


2.再生環境

  本スピーカ自作に合わせて、PCオーディオに移行しました。

  ・音源:CDグレード、またはいわゆるハイレゾ音源(NASに保存)

  ・プレーヤーソフト:JRiver

  ・DAC:DENON DA−310USB

  ・パワーアンプ:東和電子Olasonic NANO−A1(別置きボリューム使用)


3.使用開始時期

  ・2016年11月



4.所感

 ・妻と成長した子供にリビングを制圧され、数年前にPARCの171PPで組んだスピーカを
  思いのままに鳴<wbr>らせなくなってきて…。

  やむを得ず廊下の突き当りのような幅90cmのスペースを占拠し、幸い天井は高いところで
  3mほどで傾斜(屋根裏)があったため、このスペースに合わせたオーディオを計画しました。

  近距離リスニングが前提のため、(どれほど鳴るものか半信半疑ながら)サイズを欲張らず
  8cmウッドをチョイスしました。

 ・結果は先駆者の皆さんの言う通り、大満足・大正解です。

  3か月ほど鳴らして、サイズからはイメージできないような豊かで伸びやかな低音が得られています。

 ・デジタルオーディオだし、金属エンクロージャだし、何やらキンキン固い音になりやしないか
  不安でしたが、杞憂でした。

  ジャズピアノ、ギター、女性ボーカルを中心に聴いていますが、特に中域が緻密で艶やかでもあり、
  ほんとうに「リラックスできて、ずっと聴いていたい」しっとり感も感じられる鳴りです。

  非常に分厚くて重たいエンクロージャを設計しましたが、ユニット本来の音を鳴らさせるのに
  剛性や質量の効果は大事だと確かめられたと考えています。

 ・近距離リスニングのせいでもあるのでしょうが、このシステムはとても定位がよく、解像度が素晴らしいです。
  本当に間近で好きな歌手が演奏者を左右に置いて歌ってくれているようです。

 ・歌手の演奏合図や息遣い、ピアノマンの声など、今まで気づいていなかった聴こえていなかった音を発見し、
  感動しています。30年来愛聴してきたホリーコールの曲にこんな音が入ってたのか!ってな感じです。

 ・両側に壁が迫っているスペースに配置していますが、天井高のおかげか、嫌な反射や残響も気にならず、
  このスペースにちょうど合ったユニットの特性やサイズ、使い方としてまずまず成功している印象です。

  ただやはり、深夜などにボリュームは絞り過ぎると、低音は不足してきます。

  また逆に、試しに広めのリビングで左右を離して置き、大きな音を出してみましたが、
  どなたかの言うように指向性が強いのか?
  離れて聞くと音が散乱してしまうような希薄な傾向を感じました。


 ・人間、欲が深いもので最近、つい後付けでツイーター(T114S)を足してしまいました。
  F101WのSPLが落ち込む高音域をカバーしたら更にもっと素敵になるかも!などとと期待し、
  15kHzでクロスさせました。

  フルレンジの自作コーナーでは叱られてしまうかもしれませんが、結果は大変goodです。

  ネットワークはHPF(PARCの黄色い四角いコンデンサ)のみの単純構成にしたため、
  インピーダンスが合うか(高域が突出し過ぎないか)心配しましたが、
  さすがはPARCさんと言うべきか、ジャストフィットです。

  ハイレゾがどんどん楽しくなってきました。