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1.T.N 様(東京都小金井市 在住)
1)BOX仕様
故長岡氏が晩年に設計した小型のD10バッキー。
空気室の奥行きが60mmしかなく、F122Wは約75mmなので後部が当たってしまうため、
見てくれは悪いがバッフルの上にもう1枚サブバッフルを貼りつけて対処(都合バッフル厚は30ミリに)。
メインのバッフル開口穴は130mmΦとし、その上にサブを重ねたところユニットはうまく収まった。
吸音材は、定番ユニットならParc推奨の吸音材が良いのだろうが、手近にあった水槽のフィルター用の
ポリエステル綿を片側だけ丸めてロール状にしてバッフル開口より下部へ押し込みユニット後部は1枚だけ
といった状態で使用。
2)試聴条件
我が家の中では癖の少ないと思うマランツPM90と、プレーヤーはCECのTL51XRを使用。
3)感想
以前よりウッドコーンスピーカーというものに興味を抱いており、自作という面からは一度バックロードホーン
にも挑戦してみたいという気持ちがあった。そんな中、時折PARC Audioから限定で通称赤パークと呼ばれる
オーバーダンピングのユニットが発売されている事を知り「これだ!」と衝動買いしてしまった。
しかしながら、バックロードホーンというエンクロージャーの設計というものにはセオリーが有るようで無い。
PARCでも他の定番ユニットには推奨箱があるがF122Wには無い。
バスレフと違い、失敗したら作り直しのしようがないので、色々と考えた挙句に、
故長岡氏が晩年に設計した小型のD10バッキーという箱で試してみることにした。
セッティングをいろりろと変えてみて、最終的に落ち着いたのは、横置きにしてある中型のブックシェルフ
スピーカーの上にユニットを内側にして横置きとした。自分の部屋の場合は、こうすることで低域の膨らみ
が落ち着いて全体としてバランスの良い再生音と成った。
試しにサイン波を入れて試聴してみると、31.5hzから聞こえて16khzまで(これ以上は自分が聞こえない)
ちゃんと聞き取れる。次にピンクノイズを入れて約2.5m離れた聴取位置で測ると聴感通り40〜16khzまで
が10dbの幅にキチンと収まっており63〜12.5kzまでは6db以内と上々である。
肝心の音楽では、特に合うのは弦楽器だろうか、ギターの生々しさは他の追随を許さない。
また、サイズ以上にスケール感がありオーケストラでもけっこう聴ける。
でも、このユニットの一番の魅力はスッキリとした嫌味のない中高音だと思う。
下手に高域を欲張っていない設計が功を奏して居るように思う。