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11-2.Mr. Hippo様 (横浜市在住)

 昨年の「Project F 弄り倒し会」等で、タイムアライメント調整の重要性を痛感したのが今回の改良のきっかけです。
 私にとっては音色感の違いというよりも、音場感の違いが大きい(改善される)という理解です。

 タイムアライメントを適切に調整すると、空間表現や音像のピントが合って、奥行きや天井高が広がる感じです。


 今回のもう一つのテーマはバスレフダクトの改良です。
 これはユーザーコーナーでの最終レポートで触れた話題です。

 ダクト端にダンプ材を巻くと低音が増強される様だとのレポートをしましたが、
 どうやら防振以外の役割もあるのではないかとの疑問を晴らそうという目的です。
 即ちBox 内部のダクト端を切りっ放しではなく、「面を張る」事で、気流の整流効果が生じて効率が上がるのではないか?
 という課題です。
 いずれも馬鹿にできない効果がありましたので、以下これら二点を中心にレポートします。

本レポートの詳細は、こちらのレポートに詳しく書かれていますので、参照してください。



  Dream One Artist MK2

1)システム概要
  トゥイーター   : DCU-T111S
  ウーファー    : DCU-F131PP
  BOX       : フロア型バスレフ(実質容積12L)
  吸音材      : DCP-A001
  ネットワーク基板: DCP-NB001
  ネットワーク仕様:-12dB/octスロープの2.5kHzクロス (トゥイーターに8.5kHzのディッピング回路を追加)
  ネットワーク素子: DCP-L001、Solen製フィルムコンデンサー

 2)使用システム
 ・CDプレーヤー : KRYNAのAube
 ・ラインアンプ : 管球式モノラル構成
 ・パワーアンプ : 管球式モノラル構成、25W*2
 ・プリメインアンプ : ONKYO Integra A-925(参考確認のため)

 3)感想
 
 昨年12月の「Project F 弄り倒し会」では、私Mr. Hippo がファン代表として
 試作機をデモさせていただきました。
 この時はユニットの高い性能に由来する良好な音場感がありましたが、
 タイムアライメント調整無し(WF とTW がほぼ同じバッフル面)の状態でした。

 そして今回のArtist MK2 では、アライメント調整と防振砂充填Box の相乗効果により、
 これを上回る天井の高い音場感を得る事が出来ました。

 この背の低いスピーカーシステムとは無関係に、例えばオルガンの音が天井に近いところから響いて来ます。
 実に心地良いです。

 また、人の声の肉質感も良好です。
 石造りの聖堂に響くグレゴリオ聖歌の実在感や心地良い音場感も特筆すべきレベルと思います。

 低音の重厚感がちょっと苦手な13cmPP ウーファー(否フルレンジ)ですが、改良ダクトでは快調です。
 ブライアン・ブロンバーグのウッドベースもたっぷり鳴ります。

 オーケストラの弦の低音感も実用上充分だと思います。鬼太鼓座の大太鼓も基音は細りますが、
 ドロンドロンと唸る低音感は結構出ます。

 さて写真にはDynaudio のシステムが映っていますが、今はもう下取りに出して、新しいCD プレーヤーと交換してしまいました。
 小型システムなりの低音域の限界はあるものの、音楽的表現力は断然優れていて、もはや戻る必要性を感じません。
 実は、Artist MK2 の筐体構造をスケールアップして、Project F のシステムを組むのが良いのではないかとの思惑もあって、
 今回の改良実験をしました。かなりの手ごたえを感じましたので、いつかは実現したいと思っております。