P5


5.T.S 様 (横浜市在住)

 1)システム構成 
  ユニット構成: 8インチ・サブウーファーx1個 (〜80Hz3D式)
           +DCU-F131PPx2個      (80Hz〜2.5kHz)
           +SD26-06x2個         (2.5kHz〜)

  ネットワーク: LCネットワーク(2.5kHz)(PARC製コイル&某社フィルムコン)
  アンプ構成 : チャンネルデバイダ(80Hz分割)&パワーアンプ(60Wx3) (何れも自社製オリジナル)

  参考までに : DCU-F131PPは9Lの密閉バックキャビティで、電気的な低域補償を行っています。
            左右のスピーカーが距離約1mの一体Boxです。

 2)使用感
  そもそもF131PPに驚いたのは生の肉声や楽器ならではの音のエネルギー感が良く出る事でした。
  例えばジーメンスの劇場用フルレンジの様だと申し上げれば良いでしょうか。
  しかしプラスチックコーンでその様な鳴り方をする話は聞いたことがありませんでしたので、
  自分の判断に自信が持てずにおりました。しかし今回マルチシステムとして調整を仕上げて、
  驚くほどの良い結果が出ました。

 <驚きのスピード感>
  例えばブラスバンドの様な破裂系の音(低音のチューバ〜トランペットの高音まで)が実に力強く鳴ります。
  スピーカーから5m程度離れて大音量で鳴らしましたが、生演奏と区別しがたい程のエネルギー感
  (スピード感と一体のものと考えています)が出ます。

  左右のスピーカー距離が狭いので、音場のスケール感は小さ目ですが、
  スピーカーの向こう側に手で触れられる様な立体的な存在感も再現されます。
  音楽ではありませんが雷の音の鋭い立ち上がりにも驚きました。
  これも生の(?)雷と区別しがたい鳥肌ものです。
  因みに似た様なPPコーンでも、他社のモデルではここまでは鳴りません。
  (ところでヴォーカルや弦のなまめかしさ、自然な太さ感はお約束通りなので、今回は敢えて話題には致しません)


 <大型高能率スピーカーのスピード感とは?>
  良いシステムを聞いた事がないせいかも知れませんが、「高能率スピーカー=ハイスピード」と言うのが
  一般常識であるとすれば、相当に疑問を持ち始めました。
  先日の真空管オーディオフェアとハイエンドオーディオショウをハシゴしましたが、
  「大型高能率スピーカー=ハイスピード」を謳ったメーカーでも、当社でのF131PPシステムよりもすぐれて
  聞こえたものはありません。(と言うよりもむしろ遅い。。。。。。。)


 <何が問題なのか>
  アンプのノウハウも重要ですが、スピーカーユニット(特にミッドバス帯域)に関して言えば、
 (材質の話は別にして)振動系の質量そのものの問題ではないかと思い始めました。
 電子回路ではロー出しハイ受けの信号伝達が常識ですが、アンプとスピーカーの関係に関しては
 その様になっていない様に思います。
 同じ口径で能率が同じでも「重い振動系+強力磁気回路」と「軽量振動系+小型磁気回路」では
 応答性として同じ条件なのでしょうか?
 なぜなら振動系を駆動するエネルギーは全てアンプ(磁石ではありません!)から供給される訳で、
 重い振動系の方が駆動するのに不利であって当然ですよね?
 また、例えば8Ωというヴォイスコイルインピーダンスに対して、アンプの出力インピーダンスは
 既に十分に低いという考え方がありますが、この考え方にも考慮されていない問題があるのではないかと思います。
 実際に例えばアンプの電源回路の処理(ここは秘密のノウハウですが)でもエネルギー感、スピード感(低音でも高音でも)
 が大きく変わります。


 <さて>
 代表はどの様に思われますか?
 上記の使い方は一般的ではないかも知れませんが、F131PPの魅力としてより広く認知されてしかるべしと思っております。
 或いはPARCのコンセプトと方向性が違うと思われますか?

 但し私としては、決して「シャープな音」を言っているのではなく、「湯気の立つような、生き生きとしたなまめかしさ」を
 言っているつもりです。高能率システムの様な(?)スピード感とPPコーンの自然な音質の両立したDCU-F131PPは
 他に代え難い魅力があると思っております。