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1.島津 様 (横浜市在住) 
      
 1)システム概要
 2Wayスピーカーシステム
 ウーファー: 14cmポリプロピレンコーン(6Ω)(16Lバスレフ)
 トゥイーター: 26mmソフトドーム(6Ω)
 クロスオーバーネットワーク: 2.5kHz-12dB/oct

 2)使用感
 上記システムは、私の仕事で試作したものです。あまり詳細を述べられない事をご容赦下さい。
 このシステムは、良質なアンプと組み合わせることで、強力な馬力感と高解像度が得られ、
 しかしうるさくなく太く豊かな潤い感もあるのが特徴です。音楽が楽しくなる音です。

 さて、上記システムではコストダウンが目下の大問題です。
 そこで今回のテーマはコストダウンかつ音質改善という欲張りなものです。
 今回はウーファー用0.68mHのコイルを、従来の空芯コイルからPARC AUDIOのコア入りコイルに変更し、
 良好な結果が得られましたのでご報告致します。

 ところでこのシステムでは、部品の選択において徹底的に情報ロスを排除しています。
 この様な方向性の装置では、しばしば“やかましい”音が問題になります。
 しかし簡単ではありませんが、一つ一つ問題点を解決して行く事で、
 いきいきとしていながらうるさくない音は実現可能です。

 その様な訳で、今回のシステムではネットワークに(ロス排除のため)全面的にフィルムコンデンサー(※1)
 を使用していますので、情報量が多いのと引き換えにコイル鳴きによるやかましさが目立ちやすい状態にあります。
 しかしコイルの防振というのが実に厄介な事で、特に低損失(つまり大型)の空芯コイルの鳴き止めは困難を極めます。
 外から防振材を塗ったくらいでは収まりませんし、エポキシ等の真空含浸を行ってさえ不十分な場合があります。

 そこでPARC AUDIO製コイルの出番と相成りました。コア入りコイルならではの低損失(ロス排除)で馬力感が向上し、
 かつコストダウンが可能という一石二鳥を期待しました。
 対して、歪や、やかましさの点で不利ではないか、というのが心配点です。
 しかしケース入りエポキシ含浸が有効に機能していると思われ、実際に全く問題はありませんでした。
 馬力感も期待通り向上しました。
 また低損失の効果はウーファーの能率向上としても現れ、トゥイーターのレベルを0.5dBくらい上げる必要が生じました。
 この製品は手放しで歓迎しますし、一般のオーディオファンの方々が安心して使える(音質上のトラブルの起こらない)
 良品として皆様にもお勧め致します。

※1 この事はPARC AUDIOの代表と異なる立場にある事を併記致します。