P10


10.H.I 様 (福島県在住)

1)オーディオシステム
  (a)自作DAC、自作プリアンプ、自作パワーアンプ
     オール半導体で作成しています。

  (b)CDプレーヤー ソニーCDP-X5000(自作DACを使用しています。)  
  
2)スピーカーについて
  (a)スピーカーボックス 自作
     縦41.2cm×横28.9cm×奥行き34.3cm
     材質 MDF 21mm厚   
     バスレフ方式(ダクト 間口(縦45mm×横45mm)×奥行き90mm)

  (b)ネットワーク 自作
     6dB/oct 
     コンデンサ2.5μF(1.5μFと1.0μFを並列接続)をツイターに直列に接続しただけです。
     ウーハーの減衰は特に行っていません。周波数特性を見ますと8kHz辺りから下がってきますのでこれを利用します。

3)感想
 スピーカー「DCU-F131PP」は名器ですが「DCU-C171PP」もまた名器です。感動ものです。
 私はジャンルを問わず、いろいろ聴きます。どれを聴いてもいいですね。特にピアノの響きは本当にいいですね。
 クラシック、ジャズピアノともいい響きで鳴ります。生のピアノが目の前にあるような気がします。

 「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」との比較になりますが、こちらの方が音像が明確に表現されます。
 コアキャシャル(同軸)の良さがでています。より、人の声が自然に生の声のように聞え、歌手が目の前にいるような感覚はこちらが
 上まっております。ただ、17cmと32cmのウーハーの違いによる超低音の力強さに差はみられます。スケール感は少し劣ります。

 では、どちらで聴いたらいいか。これはなかなか難しいと思います。
 比較的、部屋も大きく、音量も大きくして良いのなら「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」を、
 部屋が小さく、そんなに音量を上げずに音楽を楽しむのなら断然、「DCU-C171PP」が良いと思います。

4)スピーカー製作について
 「DCU-C171PP」を作るきっかけは「 DCU-F131PP」を使ったスピーカーシステムを作成し、その素晴らしいことを実感し、
 では同じポリプロピレンを使ったコアキャシャルのスピーカーシステムはどのようなものか興味を持ったからです。
 また、ドリームクリエーションのホームページのユーザーの声を見たときに、やはりその素晴らしさを感じている人が数人いることでした。

 はじめにスピーカーボックスの大きさをどのようにするか。ネットワークはどのようにするか。
 とにかく、手っ取り早いのはドリームクリエーションの推奨するものと同じものを作ることがよいと思いました。
 また、そうすることによって、皆さんが素晴らしいと感じていることを実感できると思ったからです。
 ただ、スピーカーボックスの前面にネットを付けることにしましたので外形は少し大きくなりました。

 ネットワークの材料(空芯コイルとコンデンサ)はコイズミ無線に注文しました。
 スピーカーボックスの材料はいつもお世話になっている東京、浅草にある「エコ・モク」店に注文しました。
 この「エコ・モク」店では、21mmのMDFを1mmの狂いもなく希望どおりに切断してくれます。
 ただ、残念なことに丸い穴の切断はできません。これは自分でジグソーを使ってあけるしかありません。
 吸音材はダイヤトーンスピーカー「73DU」から取り外したものを使用することにしました。
 この吸音材は軟らかく、昔の布団に使われていた綿のようです。

 この際だからという訳ではありませんが、専用のスピーカー台も作成することにしました。材料は近くのホームセンターで手に入れました。
 材料がそろい、いよいよ製作です。作業でいちばん大変だったのはジグソーで丸い穴をあけることでした。
 苦労はしましたがスピーカーボックスが完成し、塗装をし、ネットワーク(はじめは推奨のものとまったく同じで、0.47μFは付けています。)、
 吸音材(はじめは背面だけに付けました。)、スピーカーユニットを取り付け、音出しができるまでになりました。

 (※ここからは私の感じたこと、好みが出てきます。他の人と違う部分があると思います。) 
 さっそく、音出しです。はじめての音出しにはいつもわくわくします。一聴してすぐに感じた印象はきれいな音が出てくるのですが線の細い、
 奥に引っ込んだ音です。弱〃しい音です。しかし、これからエージングが進めばこれからどんどん良くのなるかなと思いました。
 1週間は様子をみようと思いました。しかし、なかなか良くはなってくれません。これは、これで良いと思うのですが
 私の作成した「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」と比較してしまうのです。
 あまりにも「DCU-F131PP」が良いものですから、この音と同等かそれ以上の音が出ていなければ良いと思われなくなってしまいました。

 さっそく、手直しです。「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」に負けず劣らずのスピーカーを作るのです。
 手直しのはじめは、ネットワークです。これは作る前から懸念していたことですが12dB/octの特徴の音がやはり出ていることです。
 推奨ネットワークは0.1mHがスピーカーと並列に入っていますので推察すると12dB/octの設計でしょう。
 12dB/octの特徴は6dB/octと比較して音が奥に引っ込むという傾向があると私は思っています。

 そこで、これを6dB/octに変更したらどうなるか確かめることにしました。はじめは、クロス周波数を5kHzで設計しましたが失敗です。
 音は元気を取り戻し、力強く、前面に飛び出してくるのですが中低域が弱く、高域が強く感じられ、荒れた音です。
 クロス周波数を上げて行くことにしましたが、ウーハーの減衰は特に行わないで周波数特性から自然のだら下がりを利用することにしました。
 そうすることによってツイターの減衰だけでよく、これはコンデンサを直列に入れることですみます。
 あとは何μFのコンデンサの容量にするかです。コンデンサの容量を増やせば高域が強くなり、減少すれば弱くなり、音も変わります。
 確かめたのは、4μF、3μF、2.5μF、2μF、1.5μF、1μFです。最終的にこの中で最もよく聴こえるのが2.5μFでした。
 高域から低域まで最もバランスよく、また、元気よく音が空間に飛び出してきます。
 しかし、「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」と比較したとき、なにか余分な音が聞こえるような感じでした。
 ざわつく様な音といったらいいでしょうか。これはなぜなのか、気づいたのは吸音材を背面だけに付けていたので、
 上、下、側面の板で音が反射し、この反射音が影響しているのではないかということでした。
 さっそく、前面のバッフル板を除いた、上、下、側面に吸音材を付けました。音出しです。
 吃驚するほど感動する音が出てきました。その音は本当にきれいで音に艶があり、優しさ音、繊細な音、ときに力強い低音も出、感動しきりです。
 「DCU-F131PP+32cmウーハー+チタンのツイターの3WAYスピーカー」と同等の音が出てきます。
 ただ、17cmと32cmのウーハーの違いによる超低音の力強さに差はみられますが、音像に関してはこちらが上まっております。
 それぞれの楽器の位置が明確に表現されます。左右の位置だけでなく、上下の位置、奥行きの位置も明確に表現されます。
 それぞれの楽器の位置が明確に分かります。もちろん音は空間に飛び出してきます。
 このような、スピーカーを作って頂いた代表に感謝します。ありがとうございました。


ここから追加レポートです。

1)製作した当初はコンデンサーの容量を2.5uFで鳴らしていましたが5ヶ月も経った今ではスピーカーの動きも軽くなり、
  高音が少し出すぎているように思われてきました。そこで2.2uFに交換し、高音を少し抑えました。現在はこれがベストです。

2)つい最近、当地域でレコードコンサート会があり、私の製作した「DCU−C171PP」を披露することがありました。
 ホールもかなり広く、大きな音を出すことができました。

 ここでの私の感想ですが、私自身も吃驚しましたがこのスピーカーの本領を発揮するのは大音量を出すときですね。
 いつもは狭い部屋で音量を小さくして聴いていて、本当にきれいな音で鳴っていると満足していました。
 が、しかし、大音量で鳴らしたときの凄まじさはもう吃驚しました。
 超低音を出す低域の豊かさ、そして切れ味がいいこと、パワー感もあり、また音に自然な柔らかさもあり、
 全体的に小型とは思われないスケール感があるといったことでしょうか。

 これを聴いた人が次々と私のところに来て、質問してきました。
 「どこのメーカーなのか」、「このスピーカーはどこで売っているのか」、「簡単に作れるのか」といった内容でした。
 私はこれらの質問に答えるはめになってしまいました。

 ドリームクリエーションを紹介し、スピーカーユニットは「DCU−C171PP」、
 もし、スピーカーボックスを作ることが難しいのであればキットが販売されていますよ。
 詳しくはドリームクリエーションのホームページを見てはいかがですかと紙に「ドリームクリエーション、DCU−C171PP」と書きました。
 年配の方でメモをとろうとしましたので私が書きました。
 レコードコンサート会でこのスピーカーでは歌謡曲の一曲だけしか鳴らすことができませんでしたが、これだけでこんなに反響があるとは私自身も吃驚しております。
 私はいつも毎日聴いていますのでこれがあたり前と思っていますが初めて聴く人には感動ものだったと思います。」