P8
8.ひでじ 様
1) エンクロージャー仕様
幅244mm×高370mm×奥行280mm 幅が3mm小さいだけのほぼ推奨箱サイズ
MDF材t=18mmに補強梁をして 内容量 ほぼ16L
角はすべてr5mmで面取りしてあります。
ウール吸音材を200mm×200mmユニットの背面にセット
ダクト:直径50mm 長さ80mmのパルプ材(R5は除く)
NW:DCP−N001、コンデンサーは現在1.5μFのみ
ターミナル: ART CS−104
周辺機器
Amp:ONKYO A−973 デジタルアンプ
SP台:自作高さ60cm檜2×4材
SP下:ミニ剣山(鉛製) SP台下:4辺に2mm厚のフェルト
2)使用期間
今年1/2に完成!聴き始めて2ヶ月半
3)聞く音楽
クラシックから、ジャズ、POP’S、JPOPまでいろいろ
4)いきさつ
2年ほど前より学生時代よりご無沙汰していたオーディオ趣味を復活し、Ampとスピーカーを自作していたが、
昨年の春、リファレンス用にとKEF IQ−3を中古で購入し、市販品の完成度の高さに改めて驚き、
もう、スピーカーの自作はしないと思っていました。
が
代表のブログを偶然見つけてしまい、今までスピーカーの不思議がどんどん分かりやすく解説してあり、
どんどんPARCの世界にはまってしまい、ブログも全部読破!
すれば、
今度はPARCの音が聞きたくなりますよね。
昨年の真空管オーディオフェアーでやっと音を聞いて、自作の17cmでこんなに低音が出て、しかもバランスよく
鳴っているのに感動してしまいました。試聴はコアキシャルのウッドとPP。私はよりモニター的なPPの方が好みで、
気が付いたらB級品のコアキシャルPPを購入してしまいました。
代表には、MDFの21mmはモニター的だけど、今回は中国製MDF18mmに補強梁仕様で、こちらは響き良いという事で、
MDF18mmで製作してみました。
5)感想
この2ヶ月半聞いてみての感想は、このサイズから信じられないくらい低音がよく出ます。
しかし、重々しい低音でなく歯切れよくそれでいてヴォリュームもたっぷり聴かせてくれます。
この低音、夜ヴォリュームを下げても痩せる事がなく、小さな音量でもリラックスできる音楽を聞かせてくれます。
音圧も高く、これは低出力の真空管Ampでも楽にドライブ出来ますね。
音域全体で音離れがよく、コーンが紙やメタルとも違う国籍不明のような音色で、非常に素直に感じました。
聞きやすく疲れない音の謳い文句が本当にぴったりです。
BGMからリスニングまで楽しく聞く事が出来ます。
私は、スピーカに不満を抱く時は、低音の量が少なくバランスが悪いと、
ソフト自身の録音状態の良い悪いか見極める事が出来ると勘違いしてしまう事です。
その行為は、音楽を楽しんでいるのではなく音楽マスターの荒探しをしているのでは? と感じるようになりました。
低音が出ないと、本当プアーな音になってしまいます。最近、私は懐かしのJ−POP’Sを良く聴いたりしますが
JPOP’Sは低音が出ないと、ただシャカシャカとした音楽になりがちです。
が、このユニットは久保田利伸やELTを本当に気持ち良く聴かせてもらえます。
しかし、最初からこの様な音が出たわけでなく、最初の音は繊細できめ細やかな音だが、全体的に音が細く、
低音のさっぱりでヴォリュームがない、そんな印象でした。
代表のアドバイスを元に、吸音材を20cm×20cmに絞り込み、ダクトも外側のR分を抜きにして80mm長にしたり、
SPの下にミニ剣山を置いたら、低音が俄然出る様になり、この時点で結構いい音になりました。
ここで
IQ−3と比べると、コアキシャルPPはフルレンジスピーカーぽく、中高音がどうしても耳障りなところがありました。
低音も十分出ているのですが、中音が勝っていて、しかも音が細かく、少しヒステリック気味。
これに比べ
IQ−3は低音から中低音のバランスがよく、ヴォーカルは少し奥になってしまいますが、音域が広く、
中音から高音もでしゃばることがなく、クラシックからジャズまでこなす感じです。
情報量も十分ですが、この点はコアキシャルの方が一歩上でした。
もう少し何とかならないか?
一晩、寝たところで、もう一度整理してみました。そこで、今回、ネットワークのコンデンサーを調整してみようとトライしました。
NWのコンデンサーは最初から推奨値1.5μF+0.47μFでセットしていましたが、代表からも、コンデンサー値を下げてみては
のアドバイスを頂き、ここまで来たらやってみるしかありません。
実験も含め最初は
トライ@ツィーターを鳴らさない
これ実は、私17cmPPがツィーター無しでどんな音がするのか、大変気になっていました。
出てきた音は全体におとなしめで、元気がない。こもった感じもして、高音の響き、伸びやかさが感じませんでした。
PPの周波数特性では8khzまで伸びているので、そのままフルレンジ並かと期待していたが、
意外と高音が伸び悩んだユニットでした。
ただし、低音と中音のバランスは明らかに低音が勝っており、オォッこれは!
と、ちょっぴり好感触!!!
トライA0.47μFコンデンサーを外し、1.5μFのみとする。
コンデンサーの推奨値のセットを壊して試聴してみます。
でたぁ〜〜〜!
やっとめぐり合えた!!!
という感じです。中高音のでしゃばったヒステリックな感じは影を潜め
音楽を中低音からしっかり聞かせてくれるように変身。
実際、コンデンサーでこれほどまで変わるとは思っていませんでした。
逆に、吸音材のように何度もカット&トライするのではと、覚悟していたので、一安心です。
やっとという感じです。
また、ここまで、私のつたないメールからアドバイスまでいただき本当にありがとうございました。
現在、1.5μのみの音が非常に気に入っており、しばしこれで、いろいろ聞いてみようかと思います。
また、もう少し伸びがほしければ0.22μや0.15μを入れてみます。
最後に確かにMDF材製の箱は、響きはイマイチですね。(響きに関してはSX500はいいです。ただし音域が低音が×)
もう少し暖かくなったら、ウレタン塗装もしてみようかと思います。その時に、報告させてください。
いま、最終チェックをしてみました。宿命のライバルKEF−IQ3と聴き比べてみました。
コアキシャルPPに比べIQ3は定位などや音の雰囲気はほとんど同じタイプですし、改めて聴き比べても似た音調です。
コーンもツィーターもメタルですが意外とシックな音調であると感じました。
しかし
IQ3の方が少しだけ、バフレフの共鳴周波数が高いせいか低音に量感があります。
以前から音楽ソースによっては少し低音が出すぎでは?と感じた時がありました。
もっとも、IQ3にはバフレフを調整するスポンジがあり、これを挿入して調整出来る設計になっています。
が、これを入れるとだぶつき気味の音楽ソースはとりあえずすっきりするのですが、
全体的に抜けの悪いような音になってしまいますね。
また、音全体も解像度や音のクリヤーさではコアキシャルPPの方がいいです。
どうしても、自作ですのでひいき目に見てしまうとは思いますが
この2ヶ月半IQ3を超える事だけを目標にセッティングしてきただけに、
いままでIQ3に負けていたと感じていたのが、今回初めて超えたかなと感じています。
それでは、3か月近くもお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。