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10.H.K 様

 1)システム情報
  ボックス:MDF(15mm)による推奨箱4.6L、塗装はラッカースプレー3回塗り+ジェルニス3回塗り
  
  アンプ:エレキットTU-870
  ソース:Ipod nano+千石通商で購入したドック端子を使用してRCAプラグに変換
 
 2)使用感
  サブシステムとして、エレキットのTU−870とipod(ケーブルは自作)で使用していますが、
  とても8cmフルレンジとは思えないスケールの音がします。
  推奨箱は小(2.4L)で作られている方が多いようですが、大(4.6L)の迫力もすごいです。

  改めていくつかのソースで試聴してみました。

 ・クラシック〜サイモンラトル指揮、ベルリオーズ幻想交響曲
  代表もデモでよく使われているCDで、ドンドンと低く響く低音で始まる第4楽章です。
  低音は171のような床から湧き上がるような迫力ではありませんが、軽いながらもしっかりした量感で響きます。
  それと絡む弦楽器も、ドラムとしっかり分離して衣擦れのような音が出ています。
  そして何と言っても素晴らしいのは、オーケストラの風景がこじんまりではありますが、3D的に浮かび上がることです。
  管楽器(ファゴット?)の音色もその風景の中にしっかり浮かび上がって来ます。
  8cmのフルレンジに、1.5wの真空管アンプ、それにIpodをつないでクラシックが聴ける。
  なかなか信じがたいことですが、十分な迫力とスケール感で鳴ります。
  マンションなど大音量が出しにくい環境であれば、これがメインでもいける、と感じるほどです。

  ついでに優秀録音として有名な、レヴァン指揮のホルスト惑星の木星をかけてみましたが、
  主メロディーを導く弦楽器の厚みのある音は本当に圧巻でした。


 ・ジャズ〜ハーレムブルース
  これはヤマハの試聴会で使用されていたCDで、録音自体は新しいものではないですが、良い録音です。
  3曲目のLittle girl blueを聴きます。まず感じるのはベースの重厚な響きです。
  バスレフのポートに手を近づけてみると、空気が力強く押し出されてくることがわかります。
  この低音は8cmにしては低音が良く出ている、と言うレベルを超えており、楽器本来の音にかなり近いと感じられます。
  ドラムの音ももちろん負けていません、バスドラの低音もさることながら、スネアドラムもタン、タンとしっかり輪郭のある音で鳴ります。
  同様にピアノについても、歯切れよく、演奏者の指運びが感じられるのが快適でした。


 ・ボーカル〜Stardust、ナタリーコール
  これも代表がよく使われているCDですね。同じく6曲目のWhat's〜を聴きます。
  ボーカルは代表がもっとも大事にしている音だ、とどこかでおっしゃっていたと思いますが、
  それだけのことがあり、本当にリアルな歌声が飛び出してきます。ちょっとリアル過ぎて気持ち悪い?
  でも本当にきれいに響きます。また途中から出てくるホーンの破裂するように感じる音もしっかり出ています。
  クラシックも良いですが、やはりジャズ、ボーカルあたりに一番向くスピーカーと言えると思います。


  以上が試聴記ですが、これだけ書くと、悪いところはないのかと言われそうですが、実は悪いところもあります。
  これは良く書かれていることですが、ソースをかなり選びます。
  上記は試聴にもしばしば使われる優秀録音ですが、アイドル系のJ-POPなんかでは、録音の悪さがもろに出てきて、
  聞くに堪えない音になります。まあ、そういうものは聴かないので、個人的にはあまり問題ないのですが、
  このあたりは万人には向かないと言うことになるかもしれません。