P12


12.TMKaming様 (大阪府在住)
 1)システム情報
 *BOX仕様
  ・天板と底板:MDF t21mm、その他:MDF t15mm 無塗装
  ・板厚以外は、2.4L推奨箱と同じ設計
  ・吸音材:DCP-A001を側面片側+背面の2面に仮設置
   →その後、代表のアドバイスをいただき背面1面のみに変更

 *アンプ
  ・パワーアンプ1:EKジャパン TU-879SK(KT88仕様) RとVRを変更
  ・パワーアンプ2:自作トランジスタアンプ
  ・プリアンプ  :自作トランジスタアンプ(PHONO用)

 *音源
  ・PanasonicミニコンポSC-HD510MD LINE出力からパワーアンプに接続
  ・レコードプレーヤー


2)使用
   2009年12月25日から約3週間


3)経緯と使用感
  スピーカー自作は今回が初めてですが、約30年ぶりのオーディオ復活に伴い、
  我が家のメインスピーカーを目指して17cmコアキシャルの採用を決定し、
  MDFカット注文して純正ネットワークも入手しました。
  ところが11月28日のブログ『不思議なユニットF101W』を読み、突然8cmウッドコーン
  に興味が湧き、17cm自作の前の練習も兼ねて、急遽8cmを先に自作することを決心し、
  何とか昨年末に塗装なしの状態で完成しました。

  完成した夜に初めて鳴らしてみましたが、予想以上の音に感動して、
  その夜はスピーカーの前に釘付けになり、片っ端からCDを取っ替え
  引っ替えして存分に楽しみました。

  特筆すべきことは、小音量でも音がぼやけず解像度が高く透明感があり、
  低域から高域までバランス良くしっかりと鳴るところだと思います。
  日頃はスピーカーとの三角形の頂点で真正面から向き合って聴くのではなく、
  部屋のいろんな場所でBGM的に聴くことが多いのですが、何気なく聴いていて、
  ときどきハッと「いい音しているな」と自然に気づかせてくれます。

  また、音量を上げても音が暴れたりヒステリックになることもなく、
  引き締まって量感のある低音と共にしっかりと心地よく鳴り、長時間でも聴き疲れしません。
  もちろんBGM用途だけに向いているわけではなく、スピーカーの真正面で向き合って聴く場合は、
  さらに明確な定位を伴った本格的な音を実感できます。

  今まで使っていた某社既製品の10cmフルレンジ+SWではあまり聴く気にならなかったCDも
  おかげで心地よく聴けるようになり、あまりオーディオに関心のない家族でもその違いが
  わかったようで、評判はかなり上々です。

  留意点としては、特に低音のたっぷりとした量感になるまでには、ある程度エージングが必要なことと
  吸音材を少な目にする必要があることです。
  代表のアドバイスをいただき、吸音材を側面片側+背面の2面から背面1面のみに変更したら、
  より低音の量感が増したのと共に全域にわたって密度が上がったように思います。

  総合的には、大きなホールでの演奏の広大なスケール感を求める場合は別として、
  肩の力を抜いて気軽に音楽を楽しむには必要にして十分な質感と量感だと思います。
  この音を2万円弱で体感できるのは驚異的ですらあります。

  現在のうれしい悩みとしては、その質の高さから家族からは
  「もうこれ以上、スピーカーを作る必要はないのでは?」とも言われており、
  当初の予定の17cmコアキシャルを作る理由づけが難しくなってきたところでしょうか。
  とは言え、既にユニット以外の材料は入手しており、さらに今回の体験でPARC Audioの音に
  完全に魅了されましたので、やっぱりまた作ることになるとは思いますが…。