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4.Mr. Hippo 様 (横浜市在住) 

 Dream One Genius

 1)システム概要
  トゥイーター   : DCU-T111S
  ウーファー    : DCU-F131PP
  BOX       : フロア型バスレフ(実質容積12L)
  吸音材      : DCP-A001
  ネットワーク基板: DCP-NB001
  ネットワーク仕様:-12dB/octスロープの2.5kHzクロス
  ネットワーク素子:DCP-C001, DCP-FC001, DCP-L001等

  システムの詳細は、こちらのレポート(P6を一部修正)に詳しく書かれていますので、参照してください。

  また本レポートの詳細はこちらからご覧ください。製作の意図などを含めて、詳しく書かれています。

 2)使用システム
 ・CDプレーヤー : 特注製作品
 ・ラインアンプ : 管球式モノラル構成
 ・パワーアンプ : 管球式モノラル構成、25W*2
 ・プリメインアンプ : ONKYO Integra A-925(参考確認のため)

 3)試聴結果
  概評です。まずは誤解の無いように“重低音は出ない”という事は明言しておきます。
 (実は重低音と思われているものは案外普通の低音域だったりするのですが)
 しかし中低域は大型システムの様に、と言うよりもその様な比較にはもはや意味がない高いレベルで充実していて、
 尚且つ馬力感や解像力に優れています。小柄な見た目からは到底想像できないどっしりと安定した鳴りっぷりには、
 多くの方がカルチャーショックを受けるのではないかと思います。
 そして非常に濃厚でありながらさわやかで自然な質感は、PARCユニットならではの軽い音の醍醐味です。
 そんじょそこらのハイエンド機では太刀打ち出来ない程の魅力感と説得力のある仕上がりだと思います。
 PARC製品は良いアンプに繋げば、その価値をきちんと引き出してくれます。
 調整時は参考のために中堅の半導体アンプも使用しましたが、以下の試聴結果はあくまでもハイエンド機器と組み
 合わせた場合のものです。

 1. “ダウンライト・アップライト” ブライアン・ブロンベルグ KICJ503
 Track 3-Mercy Mercy Mercy。デモでおなじみのウッドベースです。応答が良く、ウッドベースらしい馬力感のある
 低音が出ます。低音楽器の定位や存在感が非常に明瞭な事にも感心します。サックスも朗々と気持ち良く鳴ります。
 ジャンルを選ばずにご機嫌に鳴ってくれるのも、このシステムの特長です。

 2. “PRIMO” 神尾真由子 BVCC-34165
 Track 1-カルメン幻想曲。終盤の若さ炸裂のヴァイオリンも、コントロールを失わずに表情豊かに再現してくれます。
 伴奏のグランドピアノのスケール感も良く出ます。

 3. “The best of Maisky” ミッシャ・マイスキー UCCG-1461
 Track 1-おくりびと。巨匠マイスキーならではの哀愁にみちたチェロを良く再現してくれます。
 ヴァイオリンやウッドベース同様に“胴鳴り”の豊かな表現がとても良いです。

 4. “Kaori Muraji plays Bach” 村治佳織 UCCD-1223
 Track 1-チェンバロ協奏曲第2番(ギターとオーケストラのための編曲版)。ステージの奥行き感と心地良いギターの
 響きが良く出ます。弦を弾く時の細かな表情の違いも良く出ます。

 5. “Harp music of the Italian Renaissance” アンドリュー・ローレンス CDA66229
 Track 1-Toccata Seconda & Ligature。ルネッサンスハープの渋く深い味わいが良く出ます。
 ハープのアッタック音の軽さと胴鳴りの豊かさが心地良い。

 6. “エンヤ/ウォーターマーク” エンヤ 25P2-2465
 Track 7-Orinoco Flow。おなじみの低音と広がり感たっぷりの心地よい音楽。
 大型システムが鳴っているとしか思えないほどの量感が出ます。

 7. “KKSF 103.7 FM sampler for AIDS relief 2” CDKKSF 01-3
 Track 8-Clumbus。メアリー・ブラックのヴォーカルが抜群の質感と存在感です。ゆったりとしたウッドベースの量感も
 たっぷり出ます。ハイエンドオーディオならではのリッチな響きです。

 ・まとめ
 個人的には次回にレポート予定の、より解像度を高めた“Artist”タイプが本命です。
 とは言っても今回の“Genius”タイプでさえ、現用の100万円超えディナウディオのフルチューンナップ機を上回る「軽い音
 の心地良さ」と「説得力」のある音に仕上がったと思います。
 本器の部品表の集計費用をご覧下さい。PARC製品と自作の創意工夫で、これだけの事が実現可能なのです!
 そして何よりも「音楽を聴くのが楽しくてやめられなくなる」という点が最高の美点だと思います。
 真摯に良品を提供して下さるPARC代表のご苦労が報われますように、微力ながら声援を送り続けたいと思います。