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4.K様 (武蔵野市在住) 

 (注)DCU-131K2、DCU-F131PPの2モデル同時購入での比較試聴

 1)BOX
  手持ちのバスレフ型エンクロージャで試聴。
  容積は11リットル、ダクトの共振周波数は55Hzくらい。

 2)クロスオーバー周波数
  5kHz、ウーファー、トゥイーターとも -12dB/oct.
  ウーファーのみインピーダンス補正あり
  トゥイーターは固定抵抗で4dBほど減衰

 3)トゥイーター
  131K2に組み合わせるトゥイーターとして、T113Sも考えたが、迷った末にT112Aを選んだ。
  猛暑の中、秋葉原まで買いに行った。極薄のアルミドームが溶けてしまうのではないかと
  思うほどの暑さだった(冗談)。

  コンデンサー1個だけつないで、単体で音を出してみたところ、非常に控えめな鳴り方で驚いた。
  こんなので大丈夫かと思ったくらい。しかし、金属の振動板らしい解像度の高さは、きちんと感じられる。

 4)ウーファーの第一印象
  ほぼ同時に2モデルを購入。比較の結果、DCU-131K2で2wayを組むことにした。
  131K2はウーファーとして設計されているので、当然であるが、F131PPよりも重心の低い低音を聴かせてくれる。
  また、振動版の素材がケブラーということで、F131PPよりも明らかに現代的な音がする(音の伝播速度が速い)。
  やや中高域の張り出した明るい音色は、個人的には好きだけれど、人によってはクセがあると感じるかもしれない。

  F131PPも、いいユニットである。131K2と比べると素直な音でアナウンサーの声がとても自然に聞こえる。
  音像定位が非常によいのも特徴。なぜだか理由はよく分からない。振動板が勝手な音を出さないからだろうか。
  コーンがボイスコイルにぴったり吸い付くように動くような印象を受ける(あくまで印象)。

 5)DCU-131K2 + DCU-T112A
  まず、多くの方が書いておられるように、低音が非常に豊かで音楽を楽しく聴くことができる。
  13cmとは思えない雄大な低音。もちろん、パイプオルガンの30Hzは再現されないが、
  深々としたジャズのウッドベースの表現は最高である。
  どちらかというと、高解像度というよりは柔らかい低音。
  これまで慣れ親しんだフォステクスのユニットだと、小音量で聴くときは、トーンコントロールで低域を
  持ち上げたくなるが、今回は全くその必要がない。

  クロスオーバーはもう少し下げてもよいかもしれないが、131K2の中高域をある程度生かしたほうが面白いと思い、
  5kHzくらいに設定。
  高域は、高解像度でありながら、シルキータッチ。T112Aの商品紹介にある通り、
  「ソフトドームの優しさとハードドームの正確さが両立」している。

  全体的には、低音が豊かでソフトな鳴り方でありながら、現代的な情報量の多さも兼ね備える、
  非常に満足のいく2wayとなった。

 6)DCU-131K2 + Fostex FT48D
  試しに、トゥイーターをフォステクスのFT48Dに交換してみた。ネットワークもそれなりに変更。

  T112Aと比べると、非常に元気がよくエネルギー感のある高域。トゥイーターが明確にその存在を主張する。
  反面、繊細さはイマイチでやや大味な印象。振動板の素材に起因すると思われるプラスチック臭い響きも感じられる。
  だが、FT48Dだけ聴いていると、全くそんな風には感じない。T112Aと比べてみて、初めて気がついた。

 7)DCU-F131PP + DCU-T112A
  ものはためしということで、F131PPにT112Aを組み合わせてみた。クロスオーバーは、やはり5kHzくらい。

  F131PPにアルミドームなんて、考える人はあまりいなさそうだが、これが意外にもいい音でびっくり。
  F131PP単体だと、素朴すぎる印象があったのだが、しっかりした高域がのることでこれが解消。
  そうすると、F131PPの屈託のない鳴り方が、むしろ131K2よりも好ましく感じられ、一瞬、こちらをメインに考えようかと思ったほど。
  オーディオを意識せずに音楽に浸りたい人には、こちらのほうがいいかも。

  一週間ほど、こちらの組合わせで聴いたあと、再び131K2に戻して、やっぱりケブラーの方でいこうと決めた次第。

 8)まとめ
  スピーカーの自作を趣味とする者に、新しい世界を与えてくれたPARC Audioに感謝!