こんばんは。今日はPFの補足情報です。
既にPFのオーダーメールがきておりますが、その中で切削フレームと通常フレームの違いは?との質問を数名の方からいただきました。
それについてはHPやブログで詳しく書いたつもりだったのですが、どうやら記憶違いで、PFについてはあまり詳しく書いてなかったようですので、遅ればせながら少し書いてみようと思います。
通常のダイキャストフレーム
PARC-L11用切削フレーム
切削フレームの最大の特徴は、共振分散フレームというパーク独自の構造です。概要はHPのテクノロジーの項目に記載していますが、パーク最小モデルのチビッ子ウッド (DCU-F071W)にも採用されているものです。
具体的には、各ステイ部の寸法を意図的に変化させ、フレームで発生する共振モードを特定の周波数で発生し難く、分散するようにしています。PARC-L11の切削フレーム(写真下)では、各ステイの太さを全て違うサイズにすることに加え、ステイを奇数本数の5本にするという何とも切削メーカー泣かせの構造にしています。実際、試作フレームサンプルが出来上がるまでは、本当に中国で図面通りのものが出来るのか少し心配していました。(^_^;
さらに一般のダイキャストフレームでは、製法上板厚の制限がありますが、切削フレームでは自由に板厚を厚くできるので、結果としてフレーム単体の重量はダイキャストフレームの230gに対して、切削フレームは420gと倍近い重量となっています。
まあこの違いは、実際にフレームを触っていただければ一発で実感していただけると思いますが、出来あがったユニットも当然切削フレーム版の方が芯のあるしっかりした音になります。ちょうど箱鳴りのするBOXと、しっかり補強したBOXの違いのような感じでしょうか。まぁ早い話が1ランク上の音といった感じです。
フレームに限ったことではありませんが、スピーカーはやはり物量を投入するとそれがはっきりと品質(音質)に表れる機器なので、これはある意味当然と言ってもいいかも知れません。
それとちょっと些細なことではありますが、ダイキャストフレームは既存のものを流用しているのですが、何故か端子の位置が取付穴に対して変な位置にずれているので、切削フレームでは取付位置に対して端子(つまりVCのリード線)がセンターにくるように設定しています。
と言うわけで、設計者としてはこのフレームの価格差は、音質面を考慮すれば十分納得できるものと思っていますが、まぁこれについては最終的には皆様個人個人の価値観に委ねるということになりますね。
コメントを投稿