こんばんは。今日は13cm青パーク(DCU-F132W) の仕様についての情報です。
本当は仕様書を今週中にアップする予定でしたが、一部データに抜けがあったため、仕様書のアップは来週明けに行います。
ということで、今日はこのモデルの技術的な特徴についてお話しします。
既に発売して好評をいただいた他の青パーク同様、アルニコ内磁型磁気回路・ウッドコーン振動板・アルミフェーズプラグなどは共通のスペックですが、今回はそれ以外でパークとしては2つの新しいフューチャーを採用しました。
いずれも内容的には古典的な技術で、非常に地味ではありますが、やはりそれぞれ効果はしっかりとあります。
1)アニール処理付きアルミフレーム
パーツのアニール処理については、以前ブログで書いた記憶がありますが、ソニー時代は結構やった内容で、当時の私自身始めたころは全く信用していなかったので、何回もブライドテストで試した懐かしい経験があります。(笑)
具体的には、パーツ(今回はフレーム)を恒温槽に入れて、温度を上げて加熱し一定時間保持します。
それをまた一定時間をかけてゆっくりと序冷していくという一見単純な内容です。ただ、この時間や温度などにはノウハウがあるので、やにくもにやればOKということでもないのですね。
アニールの効果は、やはり歪感の低減で、これはアルニコの音にも共通することです。一言で言えば、音の純度が上がるっていう感じでしょうか。
2)制振プレート
これも古典的ですが、結構効きますねぇ。構造は、鉄板プレートを特殊な制振材を介して磁気回路に固定するもので、ざっくり言うとコンプライアンス(ばね成分)の先にマス(重量)がぶら下がったものになります。
このばね成分というのがポイントでして、単純にマスを固定して追加するデッドマスとはちょっと動作が異なります。同じような考え方でA&Cさんでも商品化されていますので、御存じの方も多いかと思います。
今回パークで採用したのは、少しだけ工夫して、マス成分を鉄板(つまり磁性材)としてことで、これを磁気回路の底面に固定することで、若干ではありますがヨーク底面部の磁束飽和の緩和にも役立ったりします。
実は磁気回路の中で、意外に磁束密度が高く飽和しやすいのがヨーク底面部だったりします。
これも効果としては、歪感の低減だったり、低重心化などが挙げられます。
ちなみにこのプレートは、価格を下げるためにあるロット以上の生産が必要だったため、F132Wだけでは余ってしまうので、チューニング用パーツとしても部品単体で販売予定です。まぁこれはおまけ情報ってことで、後日正式販売が始まる時点でお知らせしたいと思います。
まぁ以上が概要ですが、皆さんが一番知りたいのは、じゃあ結局音はどうなの? ってことですよね。
ブログでも現行のF131Wとの違いについて、御質問をいただきました。
結論から先に言えば、もちろん現行F131Wに対してははっきりとアドバンテージがありますので、ご安心ください。
具体的には、やはり中低域~中域にかけてのアルニコ特有の歪感の少ない甘い音色と、音が全体に無理なく開放的に鳴ってくれるということでしょうか。
もちろん、現行F131Wもパークの中では十分開放的に鳴るユニットではありますが、やはり音の厚み、余裕度、実体感などはF132Wの方がかなり優れています。まぁとにかく、音楽を聞いていて楽しいユニットというのが私の実感ですね。
なお価格ですが、店頭予想価格:30,800円(税込)に決定しました。正式予約販売開始は来週中には始めたいと思っています。
懸案だった青ガスケットや銅色フェーズプラグについては、全てベースのF132Wに対して受注改造という対応になりますので、これについては別途来週お知らせしたいと思います。
この記事へのコメント
DCU-F103W使ってみての感想ですが、軸がしっかりした角の取れた聴きやすい音で、気楽に音楽を楽しみたい目的に満足しております。今度の13㎝、青パークはオーディオ的に向き合って聴きたいと思っていて、例えばピアノの音のリアル感はいかがでしょうか。
F103WはベースのF101Wがパークの中でも最もBGM的に音楽をゆったり聴くのに最適なユニットでしたので、やはりおっしゃるような感じでしたね。
今回のF132Wは、オーディオ的というよりは、スピーカーを感じさせない自然な鳴り方と言う方がぴったりかと感じます。
リアル感という表現は人によっても感じ方が変わるかと思いますが、人工的な鳴り方をしないという意味でリアルとも言えるかと。
まぁ実際のデモ機を聴いていただくのがベストかと思いますので、コイズミ無線さんに設置予定のデモ機でご確認いただけれと思います。
おじゃまします
5周年モデルを愛用している身としては、かなり気になるモデルですね。
購入しますが、今の箱とのマッチングが、、、今から楽しみです♪。
K様
F132Wの推奨箱仕様については、まだ細部を検討中ですので公開は少し後になるかと思いますが、ダクトや補強桟、吸音材以外のBOXそのもの(内寸)は現行と同じにしますので、どうぞご安心ください。
高音については、131Wとどのような違いがありますか?
野木太郎様
高域については特性上は少し早めにフェードアウトするようになってはいますが、全体に音の純度が上がっていますので聴感上は問題なく鳴ってくれます。
正直、高域特性はあまり気にしていません。(笑)
まぁとは言っても、フルレンジで中域~中低域重視でやっているのはベースのF131W同様にパークのいつものパターンなので、どうしても気になるという方はT114Sなどをアドオンで付けるのもありかと思います。
回答ありがとうございます。
先ずはフルレンジとしてしっかり鳴らしてみてから、考えたいと思います。
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