中国出張レポート3

2008年05月22日(木)



こんばんは。

今日は出張レポートの初日の続きです。午前中は予想外の価格交渉の会議となり、かなり時間がかかってしまい、遅めの昼食になりました。言い忘れましたが、会議で議論がヒートアップしてくると、中国語、英語、日本語が飛び交いそれはすさまじいものとなります。通常は日本語が話せる営業の方を通して日本語での会話なのですが、やはりややこしい話になってくると本当に自分の考えが正しく伝わっているのか不安になってきて、ついつい下手な英語でまくし立てることになってしまいます。相手も何とか私に直接話をした方が良いのではと私よりさらに下手な英語で話してくることにあり、もうしっちゃかめっちゃか。最後はいつもの様にホワイトボードで筆談が・・・。

昼食はいつものように近所の餃子屋さんへ。例の餃子事件が脳裏をかすめる中、「いやぁこれはおいしいですね。」と出されたものはほぼ完食。午後から大丈夫かなぁ・・・。

さて気を持ち直して午後からは新機種関連を中心にいろいろと協議をしたのですが、ここでも想定外のことがありました。実は今回の出張は実質2日間の強行日程だったため、事前にこれから開発するモデルの競合モデルを、比較試聴するために中国に送っておきました。日本でもよく売れている皆さんもよくご存知のユニットです。

ちょっと話はそれますが、私はユニットの試聴をする時、競合する他社ユニットとの比較試聴をよく行います。設計者によってはあまり比較試聴は行わず、自分のモデルだけをずっと聴いていき完成度を上げていくタイプのエンジニアもおり、私の印象ではアンプやスピーカーシステムの設計者にはこのタイプの方が多いかと思います。

私が比較試聴をやる理由は、このやり方の方が試聴環境の変化に強いということがあります。中国の試聴環境は決して良いとは言えず、試聴室のSNも悪く、日ごろ自分が聴いている環境とは大きく違うため、絶対評価をしていると、中国で聴いた時はすごく良く感じたのだが日本で聴いたら全くダメだったなんていうことも結構あったりします。

それともう一つの理由は、私は商品である以上やはり他社の売れている商品との比較で絶対に自分のモデルが優れているとの確信を持った上で発売していきたいからです。

ところが、午後からのミーティングで出されたものを見た私は・・・・・。
何と事前に送っておいた他社ユニットがみごとにバラバラに分解されていたのです!

「冨宅さん、ちゃんと分解して調べておきましたよ。」と自信ありげに話す中国側のスタッフを見ながら私は、

「誰が分解なんかするように頼んだ? 俺はコピーモデルなんか作るつもりなんか無いっつ~の!」

と心の中で叫びながら、「いやぁ、そうじゃないんですよ~。」と優しく、でもちょっと引きつった表情でその分解されたユニットをそっとダンボールの中に戻したのでした。あ~あ、これでユニット購入代とDHL代金が全てパァか、やれやれ。

ということで結局中国での試聴は止めて、日本に帰ってから評価をすることになりましたが、皆様からのご希望が多い小口径モデルでも魅力的なモデルが出せるかも知れません。まぁこれはもう少し先のお楽しみです。

ここから先は、あんなものやこんなもの、まだここで書けないものばかりですが、これらの中から一部は皆さんにご紹介できるモデルも出てくるかと思いますので、是非楽しみにしていてください。ユニットの開発をしていて、実はこの時期が一番楽しくまた重要です。前にも書きましたが、開発初期のユニット(特に中国からの提案ユニット)の中にはとんでもないようなレベルのものもあり、いろんなネタの中からどれがものになるかを見抜いて、それをうまく育てていくというのは設計者にとって最高の腕の見せ所なのです。でもこれから量産が近づくにつれ、コストや品質等いろいろと頭の痛い問題が出てくるので、徐々に苦しみの方が増えてきます。



上の写真は、夕食で出たお酢で出来た中国の飲み物です。価格は安く、かなり庶民的なもののようでした。私は下戸で全く酒が飲めないため、このような飲み物はうれしいです。これの味はお酢がベースなのですが、炭酸が入っていて非常に飲みやすく結構クセになりそうでした。お土産に買って帰ろうと思ったのですが、炭酸が入っているので空港では売ってないと言ってました。ほんまかいな。

では今日はこの辺で。続編に続く。

この記事へのコメント

keik 2008.5.23

Unknown
 いや~、気の毒だとは思いますが、思いっきりウケました。引きつった顔が目に浮かぶようです(失礼)。
 しかし、かなりいろいろ仕込んでいるようですね。まぁ全部が全部モノになるわけではないでしょうけど。
 自分は最近、ユニット以外の周辺小物にも期待しています。この前の吸音材みたいなのとか、最近触れられていたネットワークパーツとか、この前聞いたフェルトとか。冨家さんの長い経験の中で、効果があったアイテムを商品という形で紹介していただけると有り難いなと思っています。

PARC 2008.5.23

Unknown
中国でのトラブル談、ウケていただけたようで何よりです。せめてそれぐらいの役にでも立たないと、ほんと無駄な出費でしたから・・・。(^^;

ネットワークパーツはちゃんと仕込んでますよ。続編レポートでちょっと紹介する予定です。詳しくは続編で書きますが、日本のクラフト市場でのネットワークの傾向(流行)には個人的にちょっと(いや、かなり)違和感を感じてます。その辺の流れを微力ながらちょっと変えていければいいなぁと考えています。

keik 2008.5.23

Unknown
 うは、もう仕込み済みですか。それは早く続編を書いていただかないと(笑)。
 いつ頃手に入るようになるかわかりませんが、期待しています。

盛田 2008.5.23

バラバラ事件
爆笑です。夜中なんで大声で笑えないのが失敗でした。

倉田 有大 2008.5.23

Unknown
目的が違うw
でも、分解して調べて、同じ音を出せるユニットって作れるものなんでしょうか?

PARC 2008.5.23

Unknown
keik様

はい出来るだけ早く続編書きますね。お楽しみに。

PARC 2008.5.23

Unknown
盛田様

喜んでいただけて何よりです。ただ当人としてはもうちょっとで気絶しそうでしたが・・・・。

PARC 2008.5.23

Unknown
倉田様

スピーカーユニットのデッドコピーほど簡単そうで難しいものはありません。はっきり言って完全に同じ音にするのはほぼ不可能です。
たかだか数十点のパーツでできていて簡単そうに見えますが、こんなに奥が深いコンポーネントもありません。部品点数が少ない分、各パーツの影響が大きいため、見た目以上に大変です。

ソニーも大昔に海外の超メジャーなユニットを検討のためコピーしたことがありましたが、全く再現できませんでした。

さらにそのもっと前では、ビクターがJ社の名機と言われるモデルを検討してましたが、もちろんコピーなど出来るわけもなく、「やっぱり新日鉄の鉄は音が悪い」なんていう笑えない話まで出ていました。

でも中国人はまだこの辺の奥の深さがまだ全く分かっていません。彼らと話をしていると本当に疲れることがよくあります。悪い人では決してないのですが・・。

UTP 2008.5.23

再度爆笑
>新日鉄の

『分解』でも大笑いしましたが、このコメントを読んで…お腹が…ヨジレル

Opteron 2008.5.23

(;´Д`)
>>自分のモデルだけをずっと聴いていき完成度を上げていくタイプのエンジニアもおり、私の印象ではアンプやスピーカーシステムの設計者にはこのタイプの方が多い”なんか20年以上前に・・(;´Д`)”
>>でも中国人はまだこの辺の奥の深さがまだ全く分かっていません。”
このあたりがわかるようになったら怖い気が・・・。プログ、楽しく拝見させていただきました。(笑)
まあ実際は大変なことばかりだと思いますが、
その反面なぜか羨ましさも感じました。
同じく続編楽しみにしています。(笑)

倉田 有大 2008.5.23

Unknown
>でも中国人はまだこの辺の奥の深さがまだ全く分かっていません。彼らと話をしていると本当に疲れることがよくあります。悪い人では決してないのですが・・。

そいえば、韓国か中国かわすれましたが、なんらかのオーディオのデモで、スピーカーを真ん中に少しふることも、あまり理解されなかったということを聞いたことがあります。(高域の指向性ですよね?)
まだまだ、ピュアオーディオはこれからなんですかね、向こうでは。

PARC 2008.5.23

Unknown
Opteron様

中国で奥の深さが分かるにはまだまだ時間がかかる感じがします。
続編もう少々お待ちください。たぶん明日には・・・。

PARC 2008.5.23

Unknown
倉田様

私見ですが、韓国は中国以上に時間がかかるかも知れません。というか永久に無理かも・・・。S社(韓国)での経験で言えば、韓国人は日本人と決定的に価値観が違う感じがします。例えば、日本では匠の技(わざ)とかに自然とみんなが畏敬の念を感じたりしますが、向こうでは数字とかスペックとかだけに価値観を感じる事が多いようです。そのため感性のカタマリのようなオーディオを理解するのは無理ではないかと・・・。
でもあちらのオーディオフェアだけは会場も素晴らしく、出ている音も結構良かったりします。

倉田 有大 2008.5.24

Unknown
>向こうでは数字とかスペックとかだけに価値観を感じる事が多いようです。

あら、数字やスペックも大切だとは思いますが、ピュアオーディオの世界では出てくる音を実際に耳で聞いてよしあしを判断しないといけませんよね。
スペックがよくてネットで評判が良くて買った製品でがっかりしていらい、自分の耳を信じるようになりました^^;

>でもあちらのオーディオフェアだけは会場も素晴らしく、出ている音も結構良かったりします。

会場がすばらしいというのはうらやましい。
日本のそういったフェアだと、ブースによってはスペース小さくてこれはかわいそうと思ったことがあります。

PARC 2008.5.24

Unknown
人間の耳が聴いている情報量はすさまじく、測定器で計測しているデーターなどはそのほんの一部に過ぎないと感じています。もちろん、精度の面などでは計測器が優れていることもありますが、それもいろいろな情報のある一部を見ているだけのような気がして、あまりそれに振り回されると本筋を見誤ることもあるのではと思います。もちろんデーターも大事ですが、それ以上に聴感はもっと重要です。

ソニーでもいろいろな計測をやったりしてましたが、聴感上での印象と完全に相関が取れないことも結構あったりして、音の世界は本当に深いです。

データーだけで最高のスピーカーが作れるなら、ソニーはとっくに世界最高のスピーカーを作っていたのではと思います。

コメントを投稿

※【ご注意ください】コメント欄に不具合が生じる恐れがある為、
メールアドレスにguest@example.comを入力しないようにしてください。
※お名前は必ずご記入をお願い致します。ニックネームでも構いません。
※メールアドレスは必須ではありません。また、ご入力いただいても公開はされません。

*


  |